夫婦の違いは夫婦の関係を発展させるための手がかりなのです。
楽しみながらできる夫婦の違いを絆と愛情にするためのコミュニケーション術
夫婦力は 止揚コミュニケーション研究所が提供しております。
一昔前、管理職が家庭のトラブルで困っていると、その上司が、「妻(家庭を)をコントロールできなくて、何で部下のコントロールができるんだ!」と叱責するというパターンがありました。
一見、もっともに聞こえかねない話ですが、本当は全然お門違いの話です。会社での人間関係と、夫婦の人間関係は関係性が根本的に異なります。コミュニケーションというのは、その関係性によってやり方を変える必要があります。
たとえば、趣味の集まりでのコミュニケーションと、自分が指揮している部隊のコミュニケーションは、その内容だけでなく、目的も、やり方も異なることは誰でもわかるでしょう。
会社と夫婦。この2つの関係の最大の違いは、そもそもの目的です。
会社などの組織は、何らかの目的のために人が集まっています。従って、その目的を達成するためのコミュニケーションが求められます。つまり、問題解決思考が求められます。愚痴を言い合うのはよくないことで、「どうしたら問題を解決できるか」「どうしたら会社の目的をより多く達成できるか」と考えることが求められます。つまり、理性的に思考することが望ましい態度であり、コミュニケーションです。
一方、夫婦は、そもそも一緒になりたくて一緒になった関係ですから、「一緒にいること」が大きな目的です。
「なぜ、一緒にいたいのか」とお聞きすると、多くの方は、「好きだから」と答えます。「好き」は情緒的なことです。つまり、情緒的な部分を抜きには、存立しえない関係なのです。
にもかかわらず、多くの人が、夫婦の関係においても、情緒というとらえどころのないものよりも、思考を優先することから、コミュニケーションが混乱します。
社会で習うのは、思考のコミュニケーションです。そのため、皆さん、思考のコミュニケーションはとても上手になりますが、情緒のコミュニケーションの仕方を習ったことがあるでしょうか?いわゆる「情緒的」「感情的」といわれるのは、決して情緒を適切に用いたコミュニケーションではありません。
知らないことはできない。 人は、どんな問題にも、自分が知っているやり方で取り組む。
結果的に、夫婦のコミュニケーションも「問題解決思考」になり、情緒的なこと、夫婦にとって本質的なことが置いてけぼりになってしまうのです。逆に、やり方を学べば誰でも、できるようになるのです。感情がない人はいないのですから。